2018.12.03
転職回数の捉え方<広島の転職・キャリアコラム2018年12月号>
さて今回は、転職回数に対する捉え方について、2つの観点から書かせていただきます。
1. 転職希望者のキャリア感の変化
最近感じるのは、転職希望者のキャリア意識の変化です。思い当たる大きな転換期は、やはり2009年のリーマンショックでしょう。あのとき、盤石と見られていた多くの企業が破綻する現実を、私達は目の当たりにしました。そうした厳しい出来事を経て、これまで企業において起死回生の切り札と見なされてきたリストラ策は、積極的な経営方針の一環として常態化することとなりました。こうした流れにより、従来当たり前とされてきた終身雇用という意識は、企業側も働く側も、随分と弱くなってきているように思います。また個人の就業可能年齢の上限はどんどん上がっていることもあり、働く場所や条件についてのこだわりも、柔軟になってきているように感じます。
2. 企業評価の変化
こういった現状と、長く続く採用難の中で、企業側の意識も随分と変わってきているように感じます。 従来は、転職回数が3回以上、1社あたりの在籍期間が3年以下という人材は選考を敬遠されることが多くありました。しかし今では、経験社数や年数を気にせず、任せたいプロジェクトがあれば、あらかじめ有期雇用前提でオファーを出したり、逆にその経験を評価し高年収・高ポジションでオファーする企業もでてきました。これまでは、じっくり一つことに取り組んだり、我慢強く働く能力を求められることが多かったのですが、最近ではそういった能力よりも、複数の事を並行して進めたり、スピーディーに対応できる能力が評価されているように感じます。現在は、一つのプロジェクトにかけられる時間が短くなっています。それゆえ求められる能力も刻々と変わってきているのです。採用する側も、優秀な人材の採用のため、その時に必要なスキルやキャリアを絞ることが重要です。
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