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新たな人材が事業活性化に不可欠。リスクがあっても採用に取り組む。

株式会社日興ホーム
代表取締役会長 村尾 卓志

更新日:2017年4月12日

広島大学卒
1979年 広島中央ナショナル住宅 代表取締役社長就任
1999年 日興開発株式会社(現株式会社日興ホーム)代表取締役社長就任
2018年 株式会社日興ホーム 代表取締役会長就任
※所属・役職等は取材時点のものとなります。

注文住宅を中心に展開する「地域ファーストコールビルダー」

不動産管理を主業務として行ってきた当社が、注文住宅分野へ本格的に進出したのは2000年前後のことです。2001年、当時では珍しい煉瓦の集合住宅「ヨーロピアンシャレー」の販売を開始。遊休地のアパート経営などに興味を持った方々から高い評価を頂きました。その後、2005年には、パナソニックの開発したテクノストラクチャーという、耐震性の高い工法によって生まれる注文住宅の取り扱いをスタート。集合住宅と注文住宅という、住宅分野における2本柱の確立によって、当社は知名度と施工力を高め、事業を軌道に乗せることができました。

現在はこれらに加え、より自分の好みに合った暮らしを求める人々の声に応えるコンセプト住宅の建築・販売にも着手。住まいに対するお客様のご要望をしっかりと聞き、世界に一つだけのオリジナルな住まいを実現しています。住まいを建てるだけでなく、その後も住まいに関するあらゆるご相談に対応する「地域ファーストコールビルダー」が、日興ホームの目指す形です。

コストの高い大都市へ進出したのも、採用を重視するため

東広島市に本社を置く当社ですが、2011年には広島市西区の住宅展示場に出展。現在では広島市東区の展示場にもモデルハウスを置いています。実は、この決断には葛藤があったのです。当時、当社は年商15億円を見込めるほどになっていました。その頃の人員規模なら、15億円もあれば余裕を持って事業を展開できます。経営数字だけを見ると、固定費や外注費などのコストが高くつきがちな大都市の広島市にわざわざ進出する必要はなかったのです。それでも私は敢えて、広島市への進出を選択しました。

その最大の理由が「採用」です。人口の少ない東広島市では新卒・中途の求職者数も減るため、採用の選択肢が限られます。一方、100万都市の広島市では、当然のことながら求職者数が格段に増加します。中小企業である日興ホームにも、納得のいく採用ができるチャンスがあるわけです。実際、当社の利益の中で、広島市の展示場が寄与する割合は、それほど高くありません。しかし広島市に拠点を持つおかげで、年に2~3人の新たな人材が確保できています。

どんな小さな組織であれ、新たな人材が入ってこないと、活性化されません。同じメンバーで長くやっていると、刺激や発見がなくなる。年に数人でも新しいメンバーが入ってくると、古参の社員たちも触発され、「私たちもがんばらないと」と発奮するものです。私はこの会社を始める前、大手のハウスメーカーに勤めていましたが、新人に刺激を受け活性化する組織の姿を長年目の当たりにしてきました。逆に何年も採用しないと平均年齢だけが上がり、ムードが沈滞していくものです。

採用しなければ、組織は沈滞し、事業発展の機会を失う

住宅業界で働く人の理想的な平均年齢は、30歳前半くらいです。住まいの購入を考えるお客様の主な年齢層がその辺りなので、平均30歳前半の社員が多いハウスメーカーなら、同じ視点や価値観で話せます。新規採用を怠ると、自動的に平均年齢だけが上がっていくわけです。30歳前半に保つには、新たな人材の存在が欠かせません。

当社は、プロ意識の高い社員が多いと思いますね。上から指示されなくても自発的に勉強するし、新人に対する指導も熱心。業務における様々なアイデアも積極的に出してくれます。「お客様感謝デー」や「現場グリーンデー」といったイベントを発案したのも社員たちですし、運営も前向きにやってくれています。一つひとつは小さなことかもしれませんが、こうした新たな動きが次々に生まれるのも、採用に積極的に取り組んでいる効用でしょう。

編集後記

コンサルタント
植田 将嗣

村尾会長には、会社員時代のこと、創業時(会社設立)のこと、事業が軌道に乗り始めたきっかけなど、とても楽しくお話をお伺いしました。とくに、会社員をやめて会社設立をされたお話には、笑いあり涙ありの、会長ならではのドラマが盛り沢山で、ついついそこだけで予定のお時間の全てを費やすところでした。そんな暖かな村尾会長が経営される日興ホームの東広島市での市場シェアは非常に高く、長くお客様に愛される会社を目指されている成果が出ているのだと感じます。インタビューの終わり際に「今日は友人の新築祝いパーティーなんよ」と、急いで友人宅に向かわれる姿に胸が暖かくなりました。

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