転職成功者インタビュー

堂本食品株式会社
林創一郎さん(仮名・人事) 29歳

家族と過ごす時間に、趣味のランニング。バランスの取れた生活だから仕事にも打ち込める。

趣味のトレイルランニング(未舗装路を走る中距離走)を仕事にしたいと考え、アウトドアスポーツイベントの企画・運営を手掛ける団体で働いていた林創一郎さん。しかし、コロナ禍の影響などで、自分が想い描いていた仕事とのズレを感じるようになり、さらに多忙によって家庭とのバランスもとれない状況となってしまう。転職活動を決意し、リージョナルキャリア広島のコンサルタントとともにキャリアを棚卸しし、自身の価値観や強みなどを深堀りすることで、老舗業務用食品メーカーとマッチングに成功。現在は人事担当として仕事のやりがいを感じながらも、「家族と過ごす時間も増え、趣味のトレイルランニングも満喫できています」と楽しそうに話す林さんの転職体験談を紹介する。(※本記事の内容は、2022年3月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで42日間

転職前

業種
イベント(スポーツツーリズム創出)
職種
イベントディレクター
業務内容
クライアントへの提案から開催準備、当日の運営まで全ての業務

転職後

業種
人事(採用業務)
職種
食品メーカー
業務内容
主に新卒(高校・大学)、中途採用業務全般

コンサルタントとの対話を通じて見えてきた、転職で大事にしたいこと。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

堂本食品株式会社は各種和惣菜や佃煮を中心に600種以上の商品を販売している業務用食品メーカーです。最近では、噛む力が弱くなったシニア世代の方でも噛むことができ、形を残したままやわらかいお惣菜シリーズ「思いやり堂本便」の販売にも力を入れています。私は堂本食品の管理部人事グループに所属し、主に新卒(高校・大学)、中途採用業務全般に携わっています。

入社前のご経歴を教えてください。

大学を卒業後、全国で衣料品店をチェーン展開する企業へ就職しました。中国地方最大規模の店舗の立ち上げや、売上不振店の立て直し、新規オープン店舗の店長、新卒採用リクルーター(兼任)などを任されていました。会社からの期待も感じていましたし、店長としてのやりがいもありましたが、結婚を考えていたこともあり、数年おきに全国転勤のあるSVなど、店長以上のキャリアをあまりポジティブに捉えることができなかったため、転職を考えました。前職はトレイルランニングやアウトドアスポーツイベント(大会)の企画・運営を行う団体で、私はイベントディレクターとしてクライアントへの提案から開催準備、当日の運営まで全ての業務を担当していました。

転職のきっかけは?

私自身が中学・高校・大学で陸上部に所属し、社会人になってからはトレイルランニングやマラソンの大会に出場していたこともあり、ランナー目線でイベントの企画に携わることができると思い前職への入職を決めました。実際に、自分の好きなことに携われるという喜びはありました。しかし、コロナウイルスの感染拡大やそれに関係したスタッフの退職など、想定外のこともあり、自分がやっていきたいと思っていた仕事とのズレが大きくなっていきました。自分が能力不足だったことが一番大きいと思いますが、それでも中四国エリアを一人で担当し、年間20イベント程度を任され時間的な余裕もまったくありませんでした。自分としてはランナー目線で企画されたイベントとは程遠く、ランナーや関係者に対して申し訳なさもありました。プライベートではランニングをする余裕もなく、家庭とのバランスもとれない状況が続き、先が見えなくなったんです。体は丈夫な方ですが、心身に不調を感じ転職を考えるようになりました。

転職活動はどのように進めましたか?

最初は大手の転職エージェント数社に登録をしました。私自身は何かこれといった専門性があるわけではないと思っていたので、入り口のところであまり仕事を絞り込まず、話を聞く中で自分自身がやりたいと思えるかという気持ちを大事にしたいと思っていました。また、前職では家庭とのバランスがとれなかったこと、私自身が走る時間の確保や大会出場もできなくなっていたので、その点は重視したいと思っていました。登録したエージェントからはいろいろな求人を紹介してもらい、その中で内定を頂いた企業もありました。しかし、決めきれませんでした。今思うと、何を大事にするのか自分の中の軸が弱かったのだと思います。少し動きを変えたいと思い、再度情報収集をする中で辿り着いたのがリージョナルキャリア広島です。コンサルタントの瀬川さんはキャリアの棚卸しだけでなく、価値観や強みなど、私がどんな人間なのかを深堀りしてくれた上で、「堂本食品という会社は林さんに合うと思いますよ!」と提案をしてくれました。

今の会社に決めたポイントは?

一番はフィーリングです(笑)。専務・常務と面接をして、正直なところ期待されているレベルの仕事が自分にできるのかわからなかったのですが、「この人たちの力になりたい」と強く思いました。採用担当者として、専務や常務が考えていることを伝えていく仕事なので、それはとてもやりがいがあるだろうなと思いました。また、堂本食品は創業100年を超える歴史と伝統がある会社なのですが、管理部は常務の直下ということもあり、僭越ながら、良いところを残しつつ新しく変えていく、変えていけるのではないかという点がとても楽しそうだなと感じました。入社後に、専務から「うちの会社は人と違うものをもっている人じゃないと採用しないからね」と言ってもらえたのがとても嬉しかったです。

プライベートの充実だけでなく、新しいキャリアの可能性や、やりがいも得られた。

転職していかがですか?

仲が良いというか、ファミリー感があるというか、働いている人たちの心理的な距離感が近い会社だなと感じます。おそらく、これはこれまで積み重ねてきた歴史がなせる業なのではないかと思います。言いたいことが言いやすい会社だなと思います。また、仕事の面では、採用業務を担当しているので、採用する目的や今後の事業展開についてなど、常務と対話する機会が多いです。まだまだなのですが、そのことで自分自身の見識と目線が上がったなと感じることもありますし、これまで自分になかった能力を伸ばせる仕事をさせてもらっているなと思います。メインの採用業務だけでなく、社内報の作成や取材対応といった広報的なところも任せてもらい、とても充実しています。

困っていることや課題はありますか?

課題はたくさんあります。人事、採用担当という立場で「会社の顔」を担っているので、一挙手一投足と言うと大げさかもしれませんが、自分の発言や対応に細心の注意が必要ですし、配慮が足りなかったな、と反省することもあります。語彙力や文章能力の重要性を強く感じていて、もっともっと磨いていかないといけないなと思っています。それと、情報発信力や伝え方はすごく大事ですが、同時にそれだけで採用が上手くいくわけでもないと思っていまして、弊社の事業と同様に時代の変化に対応し、人に選んでもらえるよう、社内の仕組みや制度を見直す必要があると感じています。その裏付けと自分の考えをしっかりと持った上で提案していけるようになりたいと思っています。

生活面の変化はありましたか?

ものすごく変わりました。まず、幸福感が大きく上がりましたね。私の場合は走る時間が増えることによってそれを実感しています(笑)。先月は50時間で450キロぐらい走りました。最近では、三瓶山の麓で行われた「バックヤードウルトラ(ラストサムライスタンディング)」という大会にも出場しました。1時間に1周6.7キロのコースを走って、1時間以内にループを走り切ることができなければ失格、最後の一人が残るまで続けるという競技です。40分で走って20分休憩してもいいですし、50分で走って10分休憩してもいい。いずれにしても1時間経つと次のループが始まります。最終的に最後の二人、1対1の勝負まで残ったのですが、30時間(約200キロ)のところで心が折れてしまい、残念ながら負けてしまいました。またしっかりトレーニングして、リベンジしたいと思います。それから、家族と過ごす時間が増えて帰宅後や休日に仕事の電話がかかってきてそれに対応する、ということがなくなったので家族も喜んでくれています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

もし、転職は考えているものの、まだ動いていないという方がいらっしゃれば、一歩踏み出して動いてみることをおすすめします。私は動いてみて、幸いなことに堂本食品と巡り会えました。でも、もし仮にすぐに転職先が決まらなかったとしても、キャリアの棚卸しや自分の強み・価値観を認識することができるなら、それ自体に価値があると思うんです。それが糧となり、それまでなかった視点や行動が生まれていくと思います。もし躊躇している方がいらっしゃれば、ぜひ一歩踏み出してみてください。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
瀬川 泰明

林さんがご自身でも仰っている通り、面談でお話を伺った時には、キャリアの方向性が定まっていないという印象を受けました。しかし、様々な経験をする中でそこが少しずつ見えてくるということはありますし、その時は林さんご自身が「楽しそうだ」と思える環境に身を置くことがとても大切だと思いました。私の中ですぐに堂本食品という会社が思い浮かび、常務に話をしたところ興味を持って頂き、お引き合わせに至りました。ご入社から一年半が経過し、常務からも林さんのご活躍をお聞きし、林さんからも充実されていると伺ってはいましたが、まさかこれほど公私ともに充実されているとは思いませんでした(笑)。仕事のこと、家族のこと、そして走ることを本当に楽しそうに語る林さんに私もパワーをもらいました!

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