日鉄テックスエンジ株式会社（旧：日鉄日新工機株式会社）
浅野隆史さん（仮名・品質管理） 35歳

子どもが育つ上でベストな環境を考え、妻の地元にIターン。

浅野さんは大学院修了後にフィルムメーカーに勤務し、一貫してものづくりの工程設計に携わってきた。仕事内容や待遇に不満はなく、順風満帆なキャリアを歩んでいた浅野さんだが、見知らぬ土地で初めての子育てに苦労する妻の姿を見るうち、移住を意識するようになる。

妻が落ち着いて子どもと向き合うことができ、のびのびと子育てができる環境とは...。それを考えたとき、まず浮かんだのは妻の故郷である広島だった。現在はプラントの設計・施工を手掛ける広島の企業で働く浅野さんに転職活動を振り返ってもらった。

※本記事の内容は、2018年10月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の 転職回数: 0回
活動期間: エントリーから内定まで120日間

転職前

業種: 半導体
職種: 製造技術
業務内容: 銅張積層板用材料のプロセス開発と製造技術を担当。新製品や新製造ラインの仕様作成から立上げ、改良改善など

転職後

業種: エンジニアリング
職種: 品質管理
業務内容: 製品の品質チェックや製品成績書の作成・発行、立会い検査など

仕事に不満はないものの、縁のない土地での子育ては楽ではなかった。

現在のお仕事はどんな内容ですか？

鉄鋼・環境・運送関連設備、各種プラントなどの設計・施工・メンテナンスを手掛ける会社で、品質管理チームの一員として、製品の品質チェックや製品成績書の作成・発行、お客さまの立会い検査に関わる業務などを担当しています。

鉄鋼関連から搬送設備まで、幅広い製品群の品質チェックを手掛けています。また、ISOや特許に関する維持・管理も私の業務です。

入社前のご経歴を教えてください。

大学・大学院で化学系を専攻し、卒業後はフィルムメーカーに就職、プロセス開発や製造技術などの仕事に9年間従事していました。

プライベートでは、子どもがまもなく2歳の誕生日を迎えます。

転職のきっかけは？

子どもが体調を崩しがちだったこともあり、妻の実家がある広島なら、義両親を頼りながら安心して子育てできるのではないか、と移住を考えるようになりました。

転職前に住んでいた三重県は、私たち夫婦には縁もゆかりもない土地でした。特に初めての子育てに奮闘する妻は、周囲に頼る人がいない環境は不安が大きかったようです。私にとってはIターンになりますが、妻と子のため、迷いはありませんでした。

転職活動はどのように進めましたか？

当初は全国展開するエージェントを中心に登録しましたが、地方の求人情報は多くありませんでした。そこで、もっと多くの情報を知りたいと思い検索していたところ、たまたま見つけたのがリージョナルキャリア広島でした。広島に根付いたエージェントなら、地元の情報を豊富に持っているだろうと思いすぐに登録、面談を経て、2社の紹介を受けました。

コンサルタントの方には、本当に親身になって相談に乗っていただきました。例えば、全国に拠点がある大手企業の紹介を受けて迷っている私に「その企業は転勤の可能性があります。落ち着いて子育てするために広島にIターンしたのに、転勤になったら意味がないですよ」と的確なアドバイスをくれたり、私がメールの返信を忘れていると「レスポンスが遅いと、意欲が低いと思われてしまいます。チャンスを逃しますよ」と、ガツンと指摘してくれたこともありました。私の転職を本気でサポートしてくれている、と感じました。

今の会社に決めたポイントは？

面接の前後に人事担当者の方からお言葉をいただいたのですが、言葉の端々から、妻や子どものことを気にかけていただいていることを感じました。

また、給与は前職より下がったのですが、これについてもできる限りの対応をしていただきました。その熱意あふれる姿勢に『この人たちと一緒に働きたい』と思い、入社を決めました。

自分だけでなく、家族のことも気にかけてくれる、温かい人の多い職場。

転職していかがですか？

品質管理という職種は未経験でしたが、設計思想の実現という意味ではプロセス開発や製造技術も同じです。また仕様についてもこれまでの経験を通じて理解できることも多く、すんなりと業務に入れました。

ただ、業務で設計図面に触れる機会が多いのですが、CADも含めて設計に関する知識が自分には足りません。今、まさに勉強中です。

転職して良かったと思うことは？

職場の人間関係に恵まれている点です。家族も含めいろいろと気にかけてもらっています。業務の指導はOJTが中心ですが、どんな小さなことでも、質問すれば快く教えてくれます。働きやすい環境です。

困っていることや課題はありますか？

前職は工場勤務だったので、普段接するのは工場内のスタッフだけでした。しかしここでは、外部の方とも頻繁にやり取りがあり、交渉ごとも多い。このような環境は経験がないので、最初は少し戸惑いました。

ただ、人と人との関係は、小手先のテクニックでどうにかなるものではありません。少しずつでも私という人間を信頼してもらえるよう、経験と努力を重ねていきたいと思っています。

生活面の変化はありましたか？

現在住んでいるところから妻の実家まで、車で1時間程度。何かあればすぐに駆けつけてもらえるという安心感があるためか、妻も余裕が生まれたようです。

子どもも祖父母に頻繁に会えるので喜んでいます。そんな姿を見ていると、転職してよかったなと改めて思います。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

気になることがあれば、紹介会社を通じて必ず確認し、そのうえで面接に臨んでください。『こんなことを聞いたら心証が悪くなるかも』と心配になる気持ちはわかりますが、転職は大きな決断ですから、疑問点はできるだけクリアにしておいたほうがいいと思います。

また自分から発信することで、担当コンサルタントとのコミュニケーションも活発になるため、より的確なアドバイスをもらえると思います。