転職成功者インタビュー

湧永製薬株式会社
若林雄二さん(仮名・設備管理) 41歳

「このままでいいのか?」単身赴任を機に、初めて人生と真剣に向き合う。

広島にマイホームを建てた直後に、東京への転勤が決まった若林さん。「学校を変わりたくない」という子どもたちの希望を聞き入れ、単身赴任生活をスタートさせたものの、『このままでいいのか?』という疑問がふつふつとわいてきたという。

広島に戻れる可能性が極めて低く、単身赴任の先輩たちからは「定年後に帰ったら、家に自分の居場所がなかった」という笑えないボヤキも聞こえてきたからだ。

そんなとき、広島で起こった土砂災害。「やはり家族と一緒にいたい」という結論を出した若林さんは、長年勤めた大手企業を離れる決意をした。収入が減る覚悟のうえだ。ところが、リージョナルキャリア広島の紹介で「広島の人なら誰でも知っている」というメジャー企業への入社が決定。「すんなり決まり、収入まで上がってびっくりしました」と喜ぶ若林さんに体験談をうかがった。

※本記事の内容は、2015年3月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで136日間

転職前

業種
メーカー(食料品)
職種
本社 施設本部
業務内容
本社にて全国29工場の設備投資計画の進捗状況・予算・計画管理及びバックアップ業務。

転職後

業種
メーカー(医薬品)
職種
設備管理
業務内容
工場内生産設備の保守保全。新規生産設備ラインの導入など。

家を買った直後に、「二度と戻れない」と言われる東京への転勤。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

製薬会社の工場で、設備管理をしています。製造現場からの要望に応えて、設備の修理やメンテナンス、新しい設備の導入などを行っています。

入社前のご経歴を教えてください。

大学卒業後、大手食品メーカーの施設工務部門に17年間勤務していました。最初は広島で、工場内の生産設備の保守保全業務、維持管理などに携わりました。

その後東京本社へ転勤となり、全国29工場の設備投資計画の進捗管理や予算調整などを担当していました。

転職のきっかけは?

40歳のときに、東京に転勤することになりました。家を買った直後でもあり、「学校を変わりたくない」という子どもの希望も聞き入れ、単身赴任を選びました。しかし、広島に戻れる可能性はほとんどなかったことから、転職を考えるようになりました。

東京に転勤してすぐに人材紹介会社に登録しましたが、年齢や給与、他の会社でやっていけるかなど不安もありましたので、とりあえず登録だけして『良いところがあれば転職も考えよう』という程度の気持ちでした。妻にも相談し、賛成してくれましたが、妻も私も『そんなに甘くはないだろう』と思っていました。

転職活動はどのように進めましたか?

最初は大手人材紹介会社に登録しましたが、広島の求人はほとんど紹介されませんでした。そこで、地元密着型の人材紹介会社に登録したところ、3社から面接の連絡をいただき、そのうちの2社がリージョナルキャリア広島からの紹介でした。『広島にも求人はあるんだな』と驚きました。

3社に応募して、すべて内定をもらうことができました。びっくりするくらい順調でした(笑)。若い頃に取得した設備関係の資格が役立ったのかもしれません。資格を持つ30代や40代の人を採用したい会社は多いように思います。

今の会社に決めたポイントは?

安定しているところに魅力を感じました。年齢的にも「安定」を重視するようになっていましたし、広島の人だったら誰でも知っている有名な会社で、安心感がありました。

面接でも、『非常にしっかりした会社だ』という印象を受けましたし、提示された年収も申し分ありませんでした。むしろ、前職より上がったのです。転職したら下がることを覚悟していたので、びっくりしました(笑)。だから何の迷いもなく、今の会社に入社することを決めましたね。

子どもたちの様子や成長を毎日見ることができる喜び。

転職していかがですか?

前職では日配商品を扱っていたため、24時間365日稼働していた工場で、常にトラブル対応や急ぎの仕事に追われていました。そのため、根本的な改善ができず、同じトラブルが繰り返されることに矛盾を感じていました。現在の勤務先の工場は1日8時間の稼働で、設備トラブルも少なく、ゆとりをもって仕事ができています。

設備自体は違いますが、部品や基本的な作業は同じなので、違和感はありません。また、以前は各自が自分の仕事に集中し、他の人の仕事にはあまり関わらない雰囲気でしたが、現在はチームワークを大切にする雰囲気の良い職場で、話しやすく働きやすい環境です。

転職して良かったと思うことは?

家族と一緒に過ごせることが一番嬉しいです。毎日子どもたちと接して、成長を見守ることができます。前職では単身赴任が当たり前の会社で、「定年になって家に帰ったら、自分の居場所がない」という話もよく聞いていました。今回の転職で、初めて自分の人生に向き合い、『自分の人生、このままでいいのか』と真剣に悩みました。結果的には、うまく軌道修正をすることができたと思っています。

実は両親からは、「もうちょっと頑張ってみろ。あんなに大きな会社にはもう入れないぞ」と、転職を反対されていました。確かに前職は大手企業で安定していましたが、それよりも家族と過ごすことが大事だと思い、転職を決断しました。その決断は間違っていなかったと感じています。

生活面の変化はありましたか?

職場から車で50分程度のところに住んでいます。決して近いとはいえませんが、それでも東京にいた頃より通勤は楽になりました。なにより、家族と一緒に暮らすと精神的に落ち着きます。

以前広島で土砂災害が起きた際、我が家は被害に遭いませんでしたが、家族はその恐怖からか、雨音で眠れなくなったり、少しの物音で目が覚めたりと、精神的な影響を受けていました。『こんなときに家族がバラバラに住んでいて良いのかな』という思いもありました。私が広島に帰ってきてからは、妻も落ち着きを取り戻したようで「夜中に目が覚めなくなった」と言っています。

また、私自身の生活も規則正しくなりました。前職では時間も休日も不規則でしたが、今はきっちり土日に休めます。そのため、最近になってようやく庭の手入れを始めました(笑)。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

「地方には仕事がない」とよく言われますが、実際は探せばあるものです。もし今の仕事に自信があるのなら、他の会社でもきっと通用するはずです。不満を抱えたまま過ごすよりも、新しい道を探してみる方が良いと思います。

特に、リージョナルキャリア広島のような地元に密着したコンサルタントと一緒に転職活動を進めることは、非常におすすめです。 地方には地方ならではの雇用があります。東京にいると地方の情報がなかなか入ってこないので、地元に詳しいコンサルタントのアドバイスは本当に助かります。

また、もし「この場所で働きたい」という希望があるなら、給与などの条件にはあまりとらわれない方が良いと思います。やはり暮らす場所は大事です。自分自身が落ち着きますからね。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
瀬川 泰明

若林さんは”転職慣れ”しておらず、新卒のような純粋さをお持ちの方でした。そのため、若林さんと模擬面接を繰り返し、面接官との応対の練習を重ねたことが思い出されます。面接当日も、若林さんが面接を受けている最中、私は別室で待機していましたが、少しそわそわとしてしまいました(笑)。

若林さんがUターン転職に成功されたのは、物事に対して誠実で、目の前の業務に責任を持ち、ひたむきに努力してこられた結果に他ならないと思います。つい先日、若林さんから「責任のある仕事にも携わりつつ、充実した日々を送っています」との連絡を受けました。若林さんのこれからのご活躍をお祈りしています。

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