カルビー株式会社
大西菜穂子さん(マーケティング/商品企画) 28歳
東京への異動か、広島での転職か。迷いの中で出会えたのは、理想的な会社だった。
製薬会社のMRとして広島の事業所に勤務していた大西さん。上司に恵まれて仕事は面白く、いずれは東京の本社でマーケティングや企画の仕事をしたいという希望を持っていた。
しかし地元企業に勤める男性と結婚。入社5年目を迎え異動が現実的になってくると、「異動なら夫とは別居」、「広島に残るなら転職」という選択が必要な状況に。
どこか良い転職先があればと様々な求人を探す中で、最初の相談から数カ月を経てコンサルタントから紹介されたのは、まさに理想通りの会社だった。
※本記事の内容は、2017年10月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで99日間
転職前
- 業種
- 製薬会社
- 職種
- MR
- 業務内容
- 病院やクリニックに対する医薬品の営業
転職後
- 業種
- 食品メーカー
- 職種
- マーケティング・商品企画
- 業務内容
- スナック菓子を始めとする食品の新商品開発
新卒の赴任地・広島で結婚。異動の可能性が出てきた5年目、転職が視野に。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
カルビー株式会社が2016年10月に広島に開設した商品企画開発拠点「カルビーフューチャーラボ」に勤務しています。カルビーといえばスナック菓子をイメージされる方が多いと思いますが、スナックに限らず広く食品を見渡して、まったく新しい商品を企画することが当社の目的です。
そのために、数多くの一般の方々にインタビューをして、例えば1週間の生活を聞く中でニーズを発見し、そのニーズに応えられる商品の開発を目指します。私が直接インタビューする時もありますが、地元の学生さんにインタビュアーをお願いすることもあり、そうした学生さんの教育にも携わっています。
新商品の試作品ができたら一般の方に食べていただき、ご意見をもとに改良し、また試作品をつくって意見を聞く。大きく言えば、“人のことを知る”のが仕事の中心なのかなと感じています。
入社前のご経歴を教えてください。
埼玉県の出身で、東京の大学に進学。就活の時はメーカー志望でした。ものづくりに興味があったのと、いいものをつくって世の中に貢献するというビジネスがわかりやすかったからです。それに、就職した先輩たちの話を聞くと、メーカーはワークライフバランスを実現しやすそうだと感じたのも理由の一つです。
いろいろなメーカーを受けた中から薬品会社にMRとして就職しました。本社は東京の会社でしたが、全国に事業所を展開しており、縁もゆかりもない広島に配属されました。見知らぬ土地での生活でしたが、病院やクリニックへ営業するMRの仕事自体はとても楽しく、充実していました。
転職のきっかけは?
広島事業所での勤務も5年目になり、そろそろ異動の可能性がちらついていました。もっと早く異動があってもおかしくなかったのですが、2年半前に広島の人と結婚していたこともあり、配慮していただいていたと思います。
もともと私としては、営業を経験した後は本社のマーケティング部門や企画部門で働きたいという希望があり、上司にも恵まれてそういうチャンスが巡ってきそうだったのですが、そうなったら夫とは別居になってしまいます。
困ったな、どうしようかな、と考える中で、もしも広島でマーケティングや企画の仕事ができる会社があるのならと、転職を考えるようになりました。
転職活動はどのように進めましたか?
最初は「どこかいいところがあれば」という感じで求人サイトを見ていました。条件設定としては、広島で働けることと仕事内容。マーケティングや商品企画に絞りました。
その中である時、気になる会社の求人を見つけ、それを扱っていたリージョナルキャリア広島を訪ねました。結局その求人は条件が合わず応募できなかったのですが、数カ月後、「カルビーの求人が出ました」と連絡をいただいたのです。
面白そうだなと思って話を聞きに行ったところ面接を受けることになり、1回の面接で採用が決まりました。
今の会社に決めたポイントは?
今までになかったような手法で商品企画をしていく、新しい取り組みための部署だという点をコンサルタントの方からお聞きし、企画の仕事について広く学べそうだなと感じました。
もともと興味があって商品企画やマーケティングの本を読んでいたのですが、今の日本の伝統的な会社でやっているような商品企画の手法では行き詰まってしまうのではないかと感じており、そういう意味でも興味が湧きましたね。
もう一つ、BtoCの仕事に興味を持っていたことも惹かれた理由です。こんなチャンスは滅多にないだろうし、広島でやりたい仕事ができるならと思って入社を決意しました。
新しいことに挑戦する楽しさを実感。転職は公私に好影響。
転職していかがですか?
入社して5カ月余りですが、とても楽しく働いています。自由でフランクな社風なので、ストレスを感じることなく皆さんと仲良く仕事をさせてもらっています。
まったく違う業種への転職だったので、最初は「自分に何ができるんだろう」という不安を感じていましたが、最近は、自分なりの貢献の仕方があると思い始めています。
意外でしたが、前職の知識が活きることもあります。一般の人に比べれば医療関係の知識があるので、健康志向の食品に注目が集まる今、「健康を考えたこんな商品がいいのでは」といった提案ができるのは強みかもしれません。
転職して良かったと思うことは?
全体的に良かったなと思いますね。生活面で帰りが早くなったことも良かったし、仕事で新しいことに挑戦できるのがすごく新鮮で、それ自体が楽しいことだなと思います。
夫も、私が東京へ行ってしまうのではないかと内心恐れていたようで(笑)、「広島にいてくれてありがとう」と言ってくれています。
困っていることや課題はありますか?
仕事の性格上、いろいろなことに興味を持たなければいけないと思っています。視野を広くして、新しい企画の種を探したいですね。
もともと旅行が好きなのですが、今まで以上に行ったことのない所へ足を踏み入れたり、話したことのない人と話したりしたいです。それから、様々な分野の新聞や雑誌、本も読むようにはしていますが、まだまだ足りていないと感じます。同じ業界の事例だけ見ていても新しい発想は生まれないと思うので、違う業界のヒット商品の誕生秘話や、新しいイノベーションの話を積極的に頭に入れていきたいと思っています。
目標としては、新しいヒット商品を開発して社会に影響を与えることです。もうすぐ、カルビーフューチャーラボとして最初の商品が発表になる予定なので楽しみです。
生活面の変化はありましたか?
夜、早く帰れるようになったのが大きな変化です。MRは夜が仕事の時間という面があり、正直、それは少し辛かったです。得意先が診療を終えてからがこちらの営業時間なので、どうしても遅くなってしまいます。家に帰るのは21時~23時でした。
今は、早い日は18時、遅くても20時過ぎには帰宅しています。おかげで、夕食を作るようになりました(笑)。以前は夫の方が先に帰っていたので作ってくれていたのですが、今は私の方が早いので、作れるようになって良かったなと思います。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職した友人の話を聞き、既婚の20代後半の女性の転職は難しいという覚悟はしていました。私の場合は最初の面接で採用が決まりましたが、これは運とリージョナルキャリア広島のおかげだと思っています。
転職活動では全国区の大きな転職支援会社にも登録していたのですが、あまりピンとくる会社の紹介はありませんでした。地元密着のリージョナルキャリア広島はやはり地元の企業に強いなという印象を持ちました。