タイム株式会社
荒井弘樹さん(仮名・品質保証) 39歳
6年間の単身赴任生活にピリオドを打ち、家族のもとへUターン。
前職の建設機械の部品メーカーで、設計と品質保証を兼務していた荒井弘樹さん。10数名の部下を抱えるマネージャーとして活躍し、品質保証の仕事にも面白さを感じていた。
しかし、関西での単身赴任生活が6年を超えたころ、地元である広島県三原市に戻り、家族と一緒に過ごしたいという思いが、日に日に強くなっていた。
そこで、荒井さんは転職して地元の三原に戻ることを決意。現在は家族とともに暮らし、地元・三原で品質保証の仕事に従事している。家族との時間と希望の仕事を手に入れた荒井さんに、近況を伺った。
※本記事の内容は、2018年1月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで120日間
転職前
- 業種
- 建機
- 職種
- 開発・品質保証
- 業務内容
- 建設機械に使用する部品の開発および品質保証業務
転職後
- 業種
- 精密機械
- 職種
- 品質保証
- 業務内容
- 医療機器等に使用される精密機械の品質保証業務
責任ある立場でやりがいも感じていた。しかし、家族との時間を大事にしたかった。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
アルミ合金やステンレスなどの精密加工を手掛けているタイム株式会社で、品質保証を担当しています。お客さまが要求する精度で加工されているかを調べ、不具合が生じた場合は原因を突き止めるための調査や分析を行います。
不具合の情報を定期的に収集・分析して再発防止のためのルールづくりに活かすなど、トラブルを未然に防ぐ取り組みも推進しています。
入社前のご経歴を教えてください。
中国地方の大学を卒業後、広島県の造船会社に入社し、機械設計を9年間担当しました。その後、違う分野にも挑戦したいと考え、30歳を過ぎた頃、建設機械の部品メーカーに転職。本社は関西でしたが広島にも拠点があったことから、「地元で設計の仕事ができる」という思いで転職しました。
転職後しばらく経ってから、品質保証も兼務するようになりました。品質保証はとても面白い仕事でしたが、会社の組織変更があり、入社2年後には本社へ異動することに。そのため、妻と子ども2人を三原に残し、関西へ単身赴任しました。
転職のきっかけは?
単身赴任生活が6年も続いたことから、家族と一緒に過ごす時間を大切にしたい、と考え始めたのがきっかけです。本社では責任ある立場を任され、品質保証という業務にもやりがいを感じていました。しかし、その会社で再び広島勤務に戻る見込みはありませんでした。
かといって、せっかく三原の自然豊かな環境でのびのびと育っている子どもを、都会に連れてくることにも抵抗がありました。そうなると、私がUターン転職するしかありません。
40歳を間近に控えていましたので、このタイミングを逃すと転職先を見つけるのも難しくなるかもしれないと考え、転職活動を始めました。
転職活動はどのように進めましたか?
品質保証の仕事を希望して、大手転職サイトに登録しました。地元の三原だけでは条件を絞り込み過ぎだと考え、福山や尾道など広島県東部まで範囲を広げて企業を探しました。間もなく、複数の転職支援会社からオファーが届き、その中の1社がリージョナルキャリア広島でした。
担当のコンサルタントはこまめに連絡をくれて、質問へのレスポンスも早かったので、安心して相談できました。他の支援会社も含めて10社程度の紹介をいただきましたが、最終的にはリージョナルキャリア広島からの紹介で今の会社に決めました。
今の会社に決めたポイントは?
面接してくれた今の上司が、今後の会社の方向性や目標など、いろいろな話を聞かせてくれました。そのとき「会社の成長に自分も貢献したい」と思えたことが、一番の決め手になりました。
また、前職で扱っていた素材は鉄でしたが、現職での主要な素材はアルミです。素材が変わると物性などが変わるため「自分にできるのか?」と不安もありました。しかし、現場を見学させてもらったところ、製造のプロセスはほとんど変わりませんでした。これなら今までの経験やスキルを生かしてやっていけそうだ、と安心しました。
規模や業種が違ってもメーカーの本質は同じ。自分の経験を課題解決に役立てたい。
転職していかがですか?
入社してしばらくすると、会社が抱える課題も見えてきます。思い返してみると、以前の会社でも似たような課題がありました。規模や業種が違っても、メーカーが抱える課題は共通するものがあるのだな、と実感しましたね。それらを克服するのが自分の役割と考え、取り組んでいます。
転職して良かったと思うことは?
家族がそばにいることで、精神的にも体力的にも充実していると感じます。また、品質保証に関わる社内の体制作りや改善活動に関しても、前職での経験や知識が生かせる、そういった点にやりがいを感じます。
困っていることや課題はありますか?
転職して年収は下がりましたが、地元での生活なので暮らしぶりに大きな変化はありません。収入に関しては、これから仕事で会社に貢献して上げていけばいいと考えています。
生活面の変化はありましたか?
単身赴任のころは、子どもに会えるのはせいぜい月に4日程度でした。いつも時間を気にしながらで、ゆっくり話もできませんでした。今は子どもと過ごす時間がしっかりとれます。子どもの成長を目の当たりにしながら日常を送ることができて満足しています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
「転職によって何を実現したいのか?」ということをきちんと整理しておくことが大切だと思います。私の場合は、家族と仕事内容の2点に絞りました。
転職活動を続けていると、企業規模や待遇など、当初は考えていなかった部分が気になったりします。そんなとき「転職で何を実現したいのか?」という原点に立ち返ることで、冷静な判断が可能になると思います。