2021.04.08
コロナ禍で広島県の企業が求める中途採用人材とは?~2021年3月求人動向調査より
さて、先日のブログで広島県の求人倍率について取り上げ、『2ヶ月連続で上昇。求人が増えているという意味では良い傾向』とお伝えしました。加えて、『企業がどんな人材を求めているのかという実情を掴むことも重要』ともお伝えしたのですが、今回はその部分について詳しく触れていきたいと思います。
コロナ禍における広島企業の動向をアンケート調査
長らく続いているコロナ禍ですが、そのなかで企業の中途採用についての動向がどう変化しているのか、先日アンケート調査を実施しました。主なテーマは2つ、『採用ニーズの変化』と『DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進状況』です。
採用ニーズの変化については、現在企業がどんな採用をしているのか、それから今後の見通しを。またDXに関しては、よくニュースで目にするような都市部の企業の大きな動きではなく、広島の企業が、どれぐらい、どんな取り組みを推進しているのかを知るため、それぞれリサーチしました。では結果を見てみましょう。
■調査対象:広島県に本社を置く企業
■有効回答数:54社
■調査期間:2021年3月11日~3月26日
職種によって採用意欲・想定年収に高低あり
Q.現在採用活動を行っている職種と想定年収を教えてください。(画像クリックで拡大)
まず職種別では、『デジタル戦略・DX関連』、『技術系(IT)』、『技術系(機電)』の採用を行っているという回答が多く集まりました。エンジニアの採用が多いのは、やはりメーカーが多く集まる広島らしい結果と言えるかもしれません。また、『デジタル戦略・DX関連』に関しては想定年収500万円以上・600万円以上の割合が他の職種よりも高いという結果となり、企業の採用意欲の高さが窺えます。DXに携わっている、あるいは先進的なDXを進める企業での勤務経験があるという転職希望者の方にとっては、追い風の状況と言えるかもしれません。
「一定数を継続して採用」「まだ分からない」が二極化
Q.今後の採用についての見通しを教えてください。(画像クリックで拡大)
今後の見通しとしては、『採用数を増やす』は1.9%にとどまり、『同数の採用を続ける』と『まだ分からない』が同ポイント(42.6%)で、企業の慎重姿勢が浮き彫りとなりました。「即戦力人材であれば採用したいが、育成を前提とする採用は増やせない」といったように、優先順位を付けながら採用活動を行っているという回答も多く見られました。
※参考:全国987社の回答-『採用数を増やす(15.0%)』『同数の採用を続ける(50.7%』『採用数を減らす(5.9%)』『採用をストップする(3.5%)』『まだ分からない(24.9%)』
44.5%の企業がDXに取り組んでいると回答。一方、「推進する人材がいない」の声も
Q.DXの推進状況を教えてください。(画像クリックで拡大)
Q.DXについての具体的な取り組みを教えてください。(画像クリックで拡大)
DXの取り組みに関しては、44.5%の企業が「会社全体で取り組んでいる」「部署ごとに取り組んでいる」と回答しています。
※参考:全国987社の回答-『会社全体で取り組んでいる(30.3%)』『部署ごとに取り組んでいる(18.2%)』『あまり進んでいない(32.9%)』『まったく進んでいない(8.6%)』『未定(9.9%)』
具体的な取り組みを見ると、『業務効率化や生産性の向上のデジタル化』という回答がもっとも多く、"まず手始めに"といったところで、「ペーパーレス化」や「はんこレス化」、「テレワークの常態化(オンライン会議・商談、コミュニケーションツールの整備)」、「基幹システムのクラウド化」などを進めているという回答が多く見られました。一方で、既存事業・サービスの変革や新規ビジネスの開発を目的としたDXはまだそれほど進んでいない印象で、46.3%の企業はDXそのものが「進んでいない」と回答。「推進する人材がいない」「従業員のITリテラシーに差があり、一気には進められない」という回答も多く、課題感も浮き彫りになりました。こうした点からも、『デジタル戦略・DX関連』の人材を高水準の年収帯で採用したいという意欲に繋がっているようです。
求人倍率やこうした動向調査から、広島の転職市況を大局的にとらえつつ、「いつ動くのが良さそうか」「自分はどんな転職ができるか」といったシミュレーションを行うのが良いのではないかと思います。もちろん私たちはそのお手伝いをしていますので、ご興味ある方はぜひお気軽にお声掛けください。