地域情報ブログ

その他2021.08.28

「転職なき移住」は新たなライフスタイルとなるのか?

リージョナルキャリア広島のコンサルタント、原田です。前回お伝えした通り、広島の自宅が豪雨災害により復旧中のため、今回も島根(妻の実家)からお届けします。

自宅でなくともPCさえあれば仕事ができていることから、引き続き「テレワークの恩恵」を感じているところですが、そんな中で、こんなタイムリーな記事を目にしました。

「転職なき移住」支援を強化 地方創生1268億円要求―内閣府、内閣官房
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082600875&g=eco

大都市圏の企業に勤めたまま、転職せずに地方に移住

最近目にする機会が増えてきた『転職なき移住』。テレワークの広がりを背景に、東京など大都市圏の企業に勤めたまま地方に移り住むことを指し、人材派遣大手・パソナグループが2020年9月より進めている「本社機能社員約1800人のうち、約1200人を淡路島に移転」という取り組みも記憶に新しいところです。

大都市圏に比べて地方では、企業にとってはオフィス賃料を大幅に削減でき、また社員にとっても同じ家賃でよりオフィスに近く(=通勤時間が短い)、広い家に住めるというメリットがあります。

国が進める地方創生とも相まって、ポジティブな取り組みとして実践する企業が増えています。

そして、国も「地方創生テレワーク」を促進するため、地方でのサテライトオフィスの整備などへの交付金や、移住支援金を拡充する方針を固めたというのが上の記事です。

東京から地方へ、本社(または本社機能)移転の事例


株式会社ルピシア(北海道ニセコ町へ本社(本店所在地)を移転)
常磐興産株式会社(福島県いわき市へ本社を移転)
株式会社アミューズ(山梨県南都留郡(富士山麓)へ本社を移転)
株式会社パソナグループ(兵庫県淡路市(淡路島)へ本社機能の一部を移転)
株式会社インフォメーション・ディベロプメント(鳥取県米子市へ本社機能の一部を移転)
森田薬品工業株式会社(広島県福山市(事業所)へ本社を移転/統合)
株式会社ジャパネットホールディングス(福岡県福岡市へ東京オフィスの一部機能を移転)

広島でも進む"本気"の取り組み

地方自治体においても企業誘致の動きが加速しており、ここ広島でも『チャレンジ・里山ワーク』として、中山間地域6市町(三原市・庄原市・江田島市・安芸高田市・大崎上島町・神石高原町)で「お試しオフィスの利用」や「視察の受け入れ」「助成金などの支援」といった取り組みが進められています。

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/challenge-satoyama/

チャレンジ・里山ワーク.jpg

また、ITベンチャーやスタートアップに向けた「ひろしまオフィスプランニング助成事業」では、オフィスの改装費や機器の購入費に加え、社長や従業員、その家族も対象にした移住費を助成するなど、"広島県が本気を見せる(CNET Japan)"と話題の取り組みも始まっています。

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/office-relocation/

ひろしまオフィスプランニング助成事業.png

暮らしたいところで、思い切り働ける時代へ

本社や本社機能の地方移転が今後トレンドになるのか、それとも一過性のブームで終わるのか、まだ何とも言えませんが、少なくとも東京+地方の「2拠点化」が進むことは間違いないと言えそうです。そうすると、そこで働く多くの人の働き方も変わってきます。

これまでは「仕事のために大都市圏に住まざるを得ない」「地方では望む仕事ができない」と地方暮らしを諦めていた人たちも、本社移転による移住、あるいは事業所への異動など、テレワークを前提にすることによって、地方で暮らしながら自分の望む仕事に打ち込むということが実現しやすくなるかもしれません。

暮らしたいところで思い切り働ける社会をつくる - これは私たちリージョナルスタイルの経営ビジョンです。今は転職支援という形でその実現をご支援していますが、これからは「転職ではない何か」でその実現をご支援できる可能性もあるのではと感じ始めています。

「U・I・Jターン」「ワーケーション」「デュアルライフ(二拠点生活)」そして「転職なき移住」 -

次々に新しいライフスタイルが生まれていますが、いずれにも共通する価値観は、やはり"暮らしたいところで思い切り働く"ということではないかと思います。(手前味噌ですみません・・・笑)

その価値観を大切にするライフスタイルを総称して、『リージョナルスタイル』。そんな世界観をつくれるように、これからもいろんなことにトライしていきたいと思います。

この記事を書いた人

チーフコンサルタント 
原田 昌和

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