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転職ノウハウ2022.05.13

「リスキリング」とは?新時代を生き抜くための市場価値の高め方

リージョナルキャリア広島のコンサルタント、原田です。皆さんは『リスキリング』という言葉をご存知でしょうか。

様々な業界・企業でリスキリングの取り組みが推進され始めていますが、ある調査によると「リスキリングを知らない」と答えた人は7割もいるそうです。

そこで今回は、「リスキリングとは?」というところから、個人がリスキリングによって市場価値を上げる方法までまとめていきたいと思います。

<目次>
  1. 1. リスキリングとは?アンラーニングとの違いは?
  2. 2. リカレントとはどう違う?
  3. 3. 世界で広がるリスキリングの潮流は日本、そして地方へ
  4. 4. リスキリングを成功させるための5つのステップ
  5.  4-1. 目的・目標を定める
  6.  4-2. 現状のスキルを可視化する
  7.  4-3. 適切な学習内容・学習方法を選定する
  8.  4-4. 実践する、成果を出す
  9.  4-5. 次なる目的・目標を定める
  10. 5. まとめ

目次1

リスキリングとは?アンラーニングとの違いは?

経済産業省によると、リスキリングは以下のように定義されています。

新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること

カタカナだと少し分かりづらいですが、英語だと「reskilling」、つまり「re-skill-ing」であることから、『スキルを再習得・再構築すること』と理解できます。

似たような言葉に「アンラーニング」というものがあります。これは「un-learn-ing」、つまり「学びを否定すること」から、『学習棄却』とも呼ばれます。

これまで学習してきたものを意識的に捨て去り、ゼロベースから新たに学び直すアンラーニングに対し、リスキリングは、培ってきたスキルに新しいものを付け加えながら、昇華させたり軌道修正していくようなイメージとなります。

<参考>

目次2

リカレントとはどう違う?

さらに似たような言葉に「リカレント(re-current)」というものがあります。これは、社会に出た後に職を離れ、大学や大学院・専門学校などの教育機関に戻って学び直すことを指します。

もともとスウェーデンで提唱された言葉ということもあり、欧米などでは一般的なキャリア形成の方法と捉えられていますが、日本では長く終身雇用制度が存在していたことや、一度離職すると再就職のハードルが上がる傾向があることなどから、定着しているとは言えない状況です。

それに対し、リスキリングの場合はキャリアを中断することなく学び直しを行うケースが一般的で、学んだことをすぐに実践の場(ビジネス)で活かすことに主眼を置いているのも特徴です。

目次3

世界で広がるリスキリングの潮流は日本、そして地方へ

リスキリングという言葉が注目されるようになったのは、2020年に開催されたダボス会議において、『リスキリング革命』が宣言されたのがきっかけです。そこでは、主催機関である世界経済フォーラムによって以下のようなメッセージが発表されました。

"第四次産業革命に必要なのは、テクノロジー主体のスキルと高度な科学的スキルだけになるのではありません。クリエイティブ、コラボレーション、人間関係力学、チームワーク、特殊な販売職、人事関連、介護や保育関連、教育関連など、人と人との関わり合いが最も重要な職種です。

しかし、テクノロジーの進化と自動化によって、新たに創出される仕事が多くなる中で、世界中の労働者はこの目まぐるしい変化についていけていない状態です。今、必要なことは、生涯学習、リスキリング(再訓練)、スキルアップ。

世界経済フォーラムは、「リスキリング革命のプラットホーム」を立ち上げ、労働者が今後の変化に適応できるよう支援したいと考える世界中の国や雇用者と連携。2030年までに、10億人のリスキリングを目指しています。"

そして同年には日本でも経済産業省によって『第四次産業革命スキル習得講座認定制度』が開始され、さらに、地方に目を向ければ、今年4月には我らが広島県が『リスキリング推進検討協議会』を設立。地方自治体が本格的にリスキリングの議論を始めるのは全国初の取り組みです。

2020年 ダボス会議
「リスキリング革命-2030年までに全世界で10億人をリスキリングする」と宣言
(参考)世界経済フォーラムHP

2020年 経済産業省
第四次産業革命スキル習得講座認定制度 開始
(参考)経済産業省HP

2022年 広島県
広島県リスキリング推進検討協議会 設立
(参考)PR TIMES

世界で広がるリスキリングの潮流は、着実に日本へ、そして地方でも広がりを見せつつあります。

このブログをご覧の方の中には「地方にU・Iターン転職したい」「地方でキャリアアップしたい」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、そんな方もぜひリスキリングを行うことをお勧めします。

『リスキリングを行っている=市場価値が高い』と地方企業から評価される時代は目の前まできているかもしれません。

目次4

リスキリングを成功させるための5つのステップ

では、どのようにリスキリングを行っていくのが良いか、ステップとポイントを見ていきましょう。

目次4-1

①目的・目標を定める

リスキリングは手段であって目的ではありません。まず、どんなスキルを対象にするのか、リスキリングによって何を実現することを目指すのか、目的や目標を明確にしましょう。

在職中の方であれば経験があるかもしれませんが、「働きながら学ぶ」というのは簡単なことではありません。絶えず自身のモチベーションを確認しながら取り組む意味でも、目的・目標をぶらさないことが重要です。

目次4-2

②現状のスキルを可視化する

次に、定めた目的・目標に対して、現状のスキルとどの程度ギャップがあるかを把握します。ここでポイントになるのは、きちんと可視化することです。頭の中で考えるだけでなく、言語化したり、ドキュメントにアウトプットすることでより明確になります。

これまでの経験や、学んできたこと・培ってきたことを振り返り、整理するという意味では、職務経歴書を作り込んでいくのも効果的な方法です。

また、もう一つ重要なポイントとして、「他者評価」を把握するのも効果的です。自身だけではどうしても主観的になってしまいがち。同僚や上司、会社からスキルがどのように評価されているのか、客観的な意見を取り入れることで、自身の認識とズレがないかチェックすることができます。

目標に対してギャップが大きすぎると、途中でギブアップしてしまうことになりかせませんのでご注意を・・・

目次4-3

③適切な学習内容・学習方法を選定する

①に近いところになりますが、"スキルを身に付けても、実践で使えなければ意味がない"というのがリスキリングの特徴的な考え方です。

学習内容をすぐに実践し、ビジネスやキャリアにおいて価値を創出していけるのか、また、効果的・効率的に学習できるプログラムなのか、しっかり吟味しながら選定していきましょう。

目次4-4

④実践する、成果を出す

スキルが身に付いたら、あとは実践あるのみです。そして言うまでもなく成果を出すことが重要です。①で定めた目標を達成していればリスキリング成功、そうでなければステップに見直しが必要です。

自己満足で終わってしまわないように、ここでも他者評価を交えてシビアにジャッジしていきましょう。

目次4-5

⑤次なる目的・目標を定める

冒頭の定義で「必要とされるスキルの大幅な変化に適応するため」とお伝えしましたが、近年においては"スキルは1~2年で陳腐化する"と言われています。リスキリングに成功したからといって、そのスキルに価値が担保され続けているとは限らないと認識しておくことが重要です。

アップデートしたスキルをベースに、次なるリスキリングの目標を設定し、繰り返しステップを踏んでいくことが重要です。

目次5

まとめ

アンラーニング、リカレント、そしてリスキリング・・・次々と新しいキーワードが生まれる昨今ですが、結局のところ共通しているのは、『学び直し』や『知識・スキルのアップデート』が重要であるという点です。

"学びの在り方"に新しい変化が起きているということであり、さらに言えば、そういった変化に適応できなければ、あっという間に"取り残されてしまう"恐ろしい時代です・・・。

自身のスキル、知識、経験、それらにはどんな価値があるのか、絶えず自分に問いかけながら、将来を見通していきたいですね。

この記事を書いた人

チーフコンサルタント 
原田 昌和

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