異業界・異職種への転職で、収入もやりがいもアップ。将来に希望が持てるようになった。
株式会社データホライゾン
安本茂樹さん(仮名・企画提案職) 40歳
- 転職回数
- 0回
- 転職期間
- エントリーから内定まで115日間
派遣SEとして勤務していた安本さんは、さまざまなクライアントと共にシステム開発を手掛けながら、ある不満と不安を抱えていた。それは、収入に対してのこと。同じ仕事をしていても、派遣先の社員とあまりに給料が違う。自分は40歳になろうとしているのに、基本給ベースでの年収は300万円ほど。実際の収入はもっとあったが、かなりの残業代を含んでのものだったのだ。毎日続く残業は体力的にもしんどくなってきた。しかし残業が減れば、収入も減る。いつまで今のような働き方を続けられるのだろう。そんなジレンマと不安から抜け出すために、安本さんは転職を決断した。飛び込んだのは、システムを使った企画提案職。40歳にして、新人のつもりで新たな仕事にチャレンジしているという。「わからないことばかりで大変。でも将来に希望が持てるようになりました」と明るく話す安本さんに詳しい話をうかがった。(※本記事の内容は、2015年5月取材時点の情報に基づき構成しています)
転職前
- 業種
- IT
- 職種
- SE
- 業務内容
- 派遣にて要件定義から基本設計、詳細設計、開発、テスト、保守運用まで担当。チームリーダーとしてマネジメントにも従事。
転職後
- 業種
- IT
- 職種
- 企画提案職
- 業務内容
- レセプトや健診データを分析し、市町村や企業の保険組合に対して保健事業を提案する仕事
「あの会社は募集していますか?」と自分からアプローチ。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
医療システムをメインに開発している会社で働いています。しかし、SEではありません。所属は企画課。レセプトや健診データを分析し、市町村や企業の保険組合に対し、医療費の適正化を効率的、効果的に図るための保健事業を提案する仕事をしています。具体的には、医療費の分析に基づく、保健事業をPDCAサイクルで実施するための計画書(データヘルス計画)の作成や、事業を実施する対象者のリスト作成、事業の効果作成資料の作成などを行っています。
入社前のご経歴を教えてください。
広島の大学を卒業した後、全国展開しているSIerに就職しました。自社開発と派遣での開発、両方行っている会社で、私はパートナーとして派遣され、客先常駐でSEとして働いていました。多い時は、1年で3~4社の案件を受け持ち、広島、神戸、東京などのクライアントを担当していました。
転職のきっかけは?
仕事は好きでしたが、給料に不満がありました。残業代がなければ、年収300万円程度。入社した頃から給料が良くないことはわかっていましたが、最初は経験を積ませてもらえるという思いから、あまり気にしていませんでした。しかし派遣先でSEをしていると、そこで働く社員の給与も知ることになり、どうしても比較してしまって。「同じ仕事なのに、どうしてこんなに違うのか」とずっと思っていました。私は37歳で結婚したのですが、子どもが欲しいと思ったころに、真剣に転職を考えるようになりました。「今は残業代をもらっているのでなんとかなっているが、なくなったらどうしよう」と。会社としても残業を減らそうと取り組んでいるタイミングだったので、他の会社の話を聞いてみるのも良いかもしれないと思い、転職活動をはじめました。
転職活動はどのように進めましたか?
最初はネットで調べた5~6社の人材紹介会社に登録しました。しかし、あまり魅力を感じる求人には出会えませんでした。当時は、社内SEに興味を持っていたのですが、プロジェクトマネージャーの募集が多かったように思います。そんな時に、リージョナルキャリア広島のコンサルタントから「一度会いませんか?」とメッセージを頂き、面談させて頂くことになりました。自分の今の状況や、思っていることをすべて伝えたところ、2社を紹介してもらいました。しかし、残念ながらご縁がなく、3ヶ月ほど進展がないまま過ぎていきました。そんな中、面談での会話で今の会社の名前が出ていたことを思い出し、「あの会社は募集していますか?」と聞いてみたのです。すると、ちょうど募集しているとのことで、すぐに「ぜひ応募したい」とお願いして進めて頂きました。
今の会社に決めたポイントは?
広島でがんばっている面白そうな会社だと思いました。会社のホームページに社長のインタビューが載っていたのですが、「国民皆保険を維持するために貢献したい」という話に感銘を受けました。私は、今まで医療費のことなど考えたことがありませんでしたが、そのインタビューをきっかけに調べてみると、日本の医療費は年々増加傾向で、子の代、孫の代まで、国民皆保険制度を維持することが困難なことがわかりました。この会社に入社して、日本の医療費抑制に貢献できれば、意義深いことだなと感じました。また、そんな社長が近くにいることも魅力に感じました。前職では、入社式の時くらいしか社長に会ったことがありませんでしたから(苦笑)。面接の場では、会社の説明もすごく親切で、初めて会社を訪問したときに、皆さんが立って「いらっしゃいませ!」とあいさつをしてくれたのも好印象でした。
残業ありきの生活から開放。産まれたばかりのわが子の世話も楽しい。
転職していかがですか?
SEに近い仕事だと思って入社したので、最初はギャップがありました。システム開発については流れが分かっていましたが、今の仕事は初めてなので、何をすればいいか全然分かりませんでした。しかし、前職と比べても埒があかないので、新入社員のつもりで分からないことは素直に聞こう、と。やっている仕事の意味や目的が少しずつ見えてくると、やりがいがでてきましたね。
生活面での変化はいかがですか?
通勤はバスと電車を使って約1時間。以前よりも少し長くなりましたが、以前は残業することが当たり前で、月に70~80時間の残業生活が続いており、21時に帰宅すると「早いね」と言われるほど(笑)。今では、遅くとも20時には帰宅できています。特に水曜は定時退社日となっているため、19時くらいには家で過ごせます。子どもが産まれたばかりなので、帰宅してお風呂に入れたり、家族みんなで晩ご飯を食べたり。妻も喜んでくれています。
転職してよかったと思うことは?
まずは給与が上がったことです。手取りの金額自体はそんなに変わっていませんが、前職は残業代が入った上での額でしたから。残業で忙しいのも大変ですが、残業代がないのも困る、という状況でした。残業代のことを気にしなくて済むようになったのは大きいです。また仕事の面でも、将来に希望が見えるようになりました。というのも、派遣先に常駐して業務を遂行するスタイルでしたので、キャリアの選択肢が少なく、今後の仕事人生を考えるとキャリアの選択肢を広げたいと考えるようになっていました。体力的にも「今と同じように働き続けるのは厳しいかもしれない」と感じていましたし、その点、今は、私が頑張れば何でもできます。それが一番よかったと思います。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
もし迷っているのであれば、早く踏み出したほうが良いと思います。また、客観的にアドバイスやキャリア診断して頂ける方に相談するのはとても有効的だと思いました。今回の転職活動でリージョナルキャリア広島ののことを初めて知りましたが、企業との調整を図って頂いたり、面接のアドバイスをして頂いたりと、非常に助かりました。コンサルタントの方との面談でも、自分の気持ちを整理する良い機会となりました。話しながら、自分の想いや転職に対する本気度に気付くことができたと思います。加えて、求人を紹介されるのを待つだけではなく、自分から気になった会社のことを聞いてみるのもお薦めです。パッと思いついて、聞いてみたことで、私のようにトントン拍子に話が進むこともありますから。今回は自分でも「こんなやり方もありなんだ」と驚きましたが(笑)