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イノベーションを起爆剤として、医療分野で新市場を創造する。

株式会社データホライゾン
代表取締役社長 内海 良夫

更新日:2016年11月04日

1947年7月29日尾道市で生まれ、1972年広島大学理学部卒。1982年にワイエス企画を設立して社長に就任。2000年に現社名に変更。2008年に東京証券取引所マザーズ市場に上場。
※所属・役職等は取材時点のものです。

医療費の膨張を解決する「データヘルス」支援サービス。

わが国は、国民皆保険制度により世界最高レベルの平均寿命と保健医療水準を実現しています。しかし、高齢化社会の到来により、国民医療費は年間40兆円を突破してしまいました。少子化で健康保険を支える人の数は減っているわけですから、このまま医療費が伸び続けると、国民皆保険制度そのものが破綻しかねません。健康保険事業を運営する保険者(自治体・健康保険組合など)にとって、医療費の適正化は待ったなしの課題なのです。

カギを握るのが、国が推進する「データヘルス」の展開です。「データヘルス」とは、保険者がレセプト(診療報酬明細書)・健診データなどを分析し、加入者に対してPDCAサイクルに沿って実施する効率的・効果的な保健事業のことです。

例えば、健診によって何らかの異常が明らかになったにも関わらず病院に受診していない人に受診勧奨したり、生活習慣病患者に重症化を予防するための指導を行うことなどです。効果的・効率的な保健事業である「データヘルス」を実践するには、傷病名ごとの医療費が把握できる高度なレセプトデータの分析が必要不可欠です。しかし大半の保険者には、こうしたノウハウがありません。そこで、私たちデータホライゾンが頼りにされるのです。

市場自体を創造する営業を、社外に任せるわけにはいかない。

当社は、25年前から医療・保険業界向けシステムの開発に携わっています。特に注力したのが、まだ紙でやりとりしていたレセプトの電子化・データベース化でした。これを通じて蓄積したレセプト分析技術で、当社は特許を取得しています。この高度なレセプト分析力により、保険者へデータヘルスを実施するための計画を立案したり、保健事業を実施すべき加入者の抽出を行ったり、実施した保健事業の効果を測定することが可能となります。

当社は過去、自社開発していたパッケージソフトの販売は販売代理店を通じて行っていたため、自社の営業スタッフは少数しかいませんでした。しかし「データヘルス」に関わる医療情報サービスの提案営業はそうもいきません。なぜなら「これだけを売ればいい」という明確な商品がなく、サービスを提供するのですから。

ニーズは保険者によって大きく異なります。一つひとつ各保険者の事情に合わせ、課題の解決につながる医療情報サービスを構築しなければなりません。既存の形ある商品を売るのではなく、市場自体を創造する。営業というよりはコンサルティング要素の極めて強い提案営業なので、最終的な仕様決定段階では当社の営業が参画する必要があります。また、「データヘルス」支援サービスが全国へ波及していくには営業人員の増強は欠かせません。そこで中途採用に踏み切ったわけです。

社員の経験に頼るだけでなく、意欲を引き出す教育体制も整備。

中途人材を増員していくなか、「データヘルス」支援サービス事業は着実に前進しています。既に広島県呉市、東京都荒川区、東京都東大和市をはじめ280を超える保険者と契約を結び、多彩な医療情報サービスを展開しています。これらの実績は、中途人材の加入と共にますます増加しています。

営業・提案活動の面では中途採用人材の経験に大いに期待したものの、会社としてもしっかり鍛えようと準備していました。保険者の声を十分ヒアリングし、高度な知識に基づく提案を構築しなければならないのですからね。

当社社員120名のうち、約4分の3が中途採用人材です。様々なキャリアを持つ方が、個々の業務でベストを尽くすことで、新たなサービスが生まれ、業績も拡大してきました。

ただ、本人の経験に依存するだけでは、市場の創造などできません。また、新たなサービスを生み出し市場を拡大していくためには、プラス志向でチャレンジしていかなくてはなりません。社員の考え方を触発し、プラス思考となるよう、私が講師となるセミナーも実施しています。そんな環境で、社員は順調に育っています。

全国を網羅する営業体制を構築し、人々の期待に応える。

「データヘルス」支援サービスの主要顧客は約1,700ある地方自治体です。積極的な営業を行うため、札幌にオフィスを開設、また東京支店を東京本社に昇格させました。今後は全国を網羅する営業体制を作るため、拠点増加や協力会社の営業網の活用を行っていきたいと考えています。

この事業を全国で推進するためにも、営業に携わる人材がもっと必要です。人々が長く健康でいられる、明るい社会づくりに寄与したい。そんな点にやりがいを感じる人材に活躍してほしいですね。

振り返ってみれば、データホライゾンは常にイノベーションによって発展を遂げてきた会社です。レセプトの電子化・データベース化という分野へのいち早い着眼は、その代表例と言えるでしょう。今後も当社は、イノベーションを生み出せる会社でありたい。経営陣が指針を出すのではなく、むしろ社員の側からイノベーションが自然発生するような会社こそ、未来を描くことができるのだと思います。

編集後記

コンサルタント
植田 将嗣

内海社長のデータヘルス事業にかける想いをお聞かせいただきました。地方都市にある会社として地方の経済・社会を考えるのではなく、日本全体が抱える問題を、事業を通してどう解決していくのか。そんな大きなテーマのお話でした。

そういった観点で、この事業に関わる人材の話題になり、やはり一番大切なのはスキルよりもキャリアよりも、この事業に対する興味・関心とのこと。まさに、1年2年では解決できない課題に長く取り組んでいくには、興味を持って取り組み続けていくことが重要なのだと思います。

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