2021.12.16
「学歴が良い」は"貯金"に過ぎない?ポストコロナ時代のビジネスパーソンに求められる「学習歴」の重要性
-これからの時代は「最終学歴」より「最新学習歴」が重要になる
これは京都芸術大学の副学長である本間正人氏の提唱で、劇的な変化が続くコロナ時代を生きるビジネスパーソンにとって、様々な気付きを得られるものになっていますので、少し詳しくご紹介します。この「最新学習歴」については本間氏自らが説明している動画があるのですが、その内容をかいつまんで要約すると、以下のようになります。
◆最終学歴は人生の中でほんのわずかな期間の(主に)ペーパーテストの結果にすぎない。
◆昨今のように変化のスピードが早い中で、「最終学歴の貯金」でずっと生きていくのは不可能。時には過去の常識からの脱却=アンラーニングが重要で、アンラーニングするためには、新しいことを学び続ける必要がある。
「教育学」から「学習学」へ
◆これまでの「教育学」は、それを学ぶ人(教職者など)を対象とすれば、人口における比率は約1%。対して「学習学」の対象は人口比100%。つまり、例外なくすべての人が学ぶ存在である。
◆教育学の中心にあるのは学校教育(教科学習)だが、人生の中では教科学習では得られない学びが山ほどある。また、学校は「学ぶ人のための施設」にも関わらず、そこには「教室」「教壇」「教師」「教科書」があり、いつしか"教える側中心"になっている。本来、自ら主体的に学ぶべき学習者が、"教わる人(受身的)"になってしまう。
◆学習者が"アクティブラーナー"でいられるよう、指導者は従来のティーチャーから、コーチ・ファシリテーターに変わる必要がある。
これからの社会人にとっての学び
◆今や企業での昇進や昇格においてもアメリカ型(ジョブ型)への転換が広がっており、仕事に求められる能力・資質を自分が備えているというエビデンス(実績や裏付け)が必要になっている。そのエビデンスをつくるためにも、継続的な学習が必要である。
◆親が子どもに「勉強しろ」と言っても、親自身が学んでいなければ説得力がない。子どものロールモデルになれるよう、自分が学び続け、その姿を子ども見せることが大切。
大学や大学院に通ったり、通信教育を受けたりという形を取るかは別としても、本間氏が「スマートフォンはポケットの中の学校である」と言っているように、今のご時世、スマホ一つあればあらゆる情報にアクセスし、簡単に学びの機会を得られるようになっています。変化に適応しながら、自分の仕事の生産性を上げたり、さらにクリエイティブなものにしたり、あるいは今後のキャリアを発展させるために、主体的かつ継続的に学ぶこと(自分への学習投資)の意義をあらためて感じます。
また、本間氏は別の動画で「料理学校を出ている人よりも、毎日料理をつくっている人のお味噌汁の方が美味い、なんてこともある」と言っています。これはつまり、学びを実践すること、そして実践からさらなる学びを発見し、次の実践に繋げていくこと、この積み重ねが重要であることを示唆しています。
そろそろ2021年も終わり。新年を迎えるにあたり、何か新しいことを始めるにはちょうど良いタイミングかもしれません。私原田も、随分前に買った某資格の参考書を久しぶりに開いてみたいと思います(笑)