マツダ株式会社
石原貴志さん(仮名・制御開発) 41歳
自分の強みを発揮できる場所を探し、広島へIターン転職。
大学で電子工学を学んだ後、日系の大手電機メーカーを皮切りに外資系通信機器メーカー、外資系半導体メーカーと一貫して電子技術の領域で活躍してきた石原さんが次の職場に選んだのは、大手自動車メーカーのマツダであった。電気自動車も市販されるようになった現在、自動車の制御には電子技術が重要な部分を占めるようになっており、そこに新たな飛躍の場を求めたのだ。転職にともない住まいも茨城から広島へ。Iターン転職であると同時に異業種へ、そして外資系企業から日本企業へという選択をした石原さんにお話をうかがった。(※本記事の内容は、2014年4月取材時点の情報に基づき構成しています)
- 転職回数
- 3回
- 転職期間
- エントリーから内定まで66日間
転職前
- 業種
- 電子部品・半導体
- 職種
- システム開発
- 業務内容
- カメラ製品のシステム開発、CCDデバイス生産の工程管理
転職後
- 業種
- 自動車メーカー
- 職種
- 電気自動車向け制御開発
- 業務内容
- 走行安全に関わる分野の設計、開発を担当。
半導体メーカーから自動車メーカーへ。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
自動車メーカーで電気関係の仕事をしています。機能としては走行安全に関わる分野の設計、開発で、ソフトとハードをまたぐような仕事になります。
これまでのご経験とは異業種になりますね。
自動車を運転していただければわかるように、自動車の制御には電子的な部分が欠かせなくなりました。最近は電気自動車も市販するようになっています。もちろん機械で自動車は動くのですが、電子技術が不可欠になっているのです。
転職のきっかけは?
前職の外資系企業がリーマンショックの影響を大きく受けて業務を縮小することになり、私も新しい職場で働くことを考え始めました。もちろんそれまでの経歴とまったく離れた仕事に就いては私も苦労するし、雇用先の会社にとってもプラスになりません。これまでの経験と蓄積を活かせる職場、ということを転職の条件にしました。
転職活動はどのように進めましたか?
リージョナルキャリア広島のコンサルタントに相談し、マツダを紹介してもらいました。前職では茨城に住んでいたので現在の勤務地である広島はかなり距離があったのですが、距離よりも自分の経歴を生かせる場所であることが大切だと思いました。広島には子供の頃、2年ほど住んでいたことがあって、多少の土地勘もありました。私は独身ですし、これまでも転職するたびに住む地域はかわっていたので転居に関して問題はありませんでした。
茨城と広島では転職活動が大変だったのでは?
広島へは2回、面接のために日帰りで往復しましたが、それは仕方がありませんよね。むしろ転職活動よりも、転職が決まり、新しい住まいを探すときに短期間で決めなければいけないことが大変でした。
異業種へ転職することへの不安はありましたか?
不安はありませんでした。面接を受けたときに仕事の内容についていろいろ質問し、会社からも私に対する要望をきちんと伝えていただいて、お互いに望む内容が一致することを確認できていましたから。
自分の強みと企業が求めていることの合致点を見出す。
転職していかがでしたか?
これまで働いていた電機メーカーや半導体メーカーに比べれば、自動車メーカーは電子関連の設備やノウハウの蓄積に関して弱いと感じる部分があります。しかし、だからこそ私が頑張って盛り上げていこうという気概が湧いています。これから自動車は電子技術の要素が増えていきます。最近は燃費のよさが大きなテーマになっており、マツダでも燃費のよい車種を推しているのですが、その次に来るキーワードは「安全」だと思います。要するに事故を起こさない車のことで、私が担当しているのはまさにその分野の仕事です。次世代の安全な自動車づくりと、それを通じてマツダのブランド力向上に貢献していきたいと思っています。
生活面の変化に関してはいかがですか?
広島は気候が温暖なところが気に入っています。関東は冬になると空っ風が吹いて寒いのですが、こちらは総じて温かいので快適です。生活面でも支障を感じることはありませんね。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
技術畑の人に限らず、これまでの自分の経歴を生かせる職場を探すのがベストだと思います。給料が上がる会社にひかれてしまいがちですが、無理をして経歴とは異なる分野へいっても苦労するのは自分ですし、採用してくれた会社にも迷惑をかけてしまいます。自分の強みと相手の企業が求めていることの合致点をうまく見付けていくことが、転職した後も安心して働けることにつながります。